Organic life
薬草ライフ

  • 2019/04/12

    漢方薬の人参と聞くと、真っ先に出てくるのが朝鮮人参だと思いますが、日本にもトチバニンジンという同じウコギ科の人参が全国各地にやや稀に自生しています。地上部は朝鮮人参そっくりです。しかし地下茎の形が違い、朝鮮人参は多肉質な地下茎に対しトチバニンジンは竹の節のように横に伸びています。このことから別名竹節(チクセツ)人参と呼ばれます。この地下茎は一年に一節ずつ成長していくので、節の数で何年物かわかります。

    実は、このトチバニンジンが見つかり使われるようになったのが都城なのです。江戸初期の寛永から正保にかけてのころ自国の内乱を逃れ内之浦に漂着した中国の医学者、何欽吉(かきんきつ)が都城に移り住み、その後、都城東部の山中で薬草の採集中に朝鮮人参に似た植物を偶然発見します。そして、これがトチバニンジンとして全国に広まっていきました。

    そんな偉人の何欽吉、お墓が都城にあるとのことで、温かくなったら訪ねてみたいと思います。